行ってきました、建築フォーラム@京都の祇園甲部歌舞練場(11月3日)。
PART1建築パネルディスカッションにはじまり、PART2の建築家の伊東豊雄さんの講演、PART3で伊東豊雄さんと高松伸さんと施工側の立場として京都の工務店の棟梁である中村義明さんの三人によるフォーラムという盛りだくさんな内容でした。
どちらかというとインテリアやプロダクトが中心だった一連のデザイナーズウィークのイベントの中ではもっとも建築色が強いものでした。
伊東豊雄さんの講演の内容は、20世紀の機能主義が過去のものになりつつあること、伊藤さんは今それを打開するような現在にフィットする建築を模索中であり、「流動性」という言葉をキーワードに最近ようやくそれが見えてきたというようなお話でした。最近の具体的なプロジェクトの紹介もあり、確かにそこには共通して「流動性」のキーワードは感じられました。
世界を見据えていたり21世紀の建築に求められるものを模索しているという状況の伊東さんのお話は、私にとっては途方もなく遠いようにも思えますが、不思議と心地よく耳に入ってきたのは、伊東さんの優しい語り口調のせいだけではなく、伊東さんの建築が20世紀の建築を打ち破るようなものを提案しなければいけないとか、そういう建築家としての使命を果たそうとしてのものというよりは、個々のプロジェクトごとに対する伊東さんの出した答えが「流動性」という言葉でくくられるものだっただけ、という感じだからかなぁ思いました。
(なんだかちょっと偉そうですみません。
伊東さんが最後に、若い人はもっとコミュニケーションの中で相手から何かを引き出そうとしたりするべきで、考えていることを具体化したりアウトプットすることが必要だとおっしゃていました。
自覚があるだけに耳の痛いお話です。
発言するというのは、このひっそりとしたblog上でもとても勇気のいることですが、ここに書くことで自分の考えを整理できるし、自己満足でも私にとっては必要なことなのかなと思いました。)
フォーラムが終わり、気分がやや高揚したまま、祇園のASPHODELというギャラリーで行われていた「建築の京都-OBJECT」にも寄ってきました。
京都にゆかりのある建築家を中心に、形態や作法にこだわりを持つ建築をテーマにした展示ということでしたが、フォーラムの会場と近かったため終わって流れてきた人でごった返していたのと、フォーラム3連ちゃんでおなかいっぱい気味だったので、何を見ても全く頭に入ってこず、大した感想も持たずに帰ってきてしまいました(笑)。